対象企業は要注意!障害者の法定雇用率が2.3%に引き上がります

障害者雇用率

法定雇用率とは

障害者の雇用義務については、障害者雇用促進法によって定められています。そして、企業や地方公共団体において、障害者を何人雇用するかを定めた基準が「法定雇用率」です。障害を持っている人であれば、誰でも障害者雇用の対象となる訳ではなく、障害者としての認定を受けたことをあらわす障害者手帳を所有している必要があります。障害者手帳は、各地方公共団体で申請することができるものです。また、法定雇用率は、障害者雇用を定着させるために、かねてから段階的な引き上げが行われています。障害者雇用促進法では「少なくとも5年に1度は法定雇用率を見直すこと」が定められており、見直し後の法定雇用率は厚生労働省のHPで公表されます。

法定雇用率の計算式

法定雇用率は、「常用雇用で働いている障害者の人数」と「失業中の障害者の人数」の両方を考慮した上で設定されています。計算式は、以下の通りです。
※「常用雇用で働いている労働者の総数」とは、週30時間以上勤務している「常用雇用労働者」と、週20時間以上30時間未満勤務している「常用雇用短時間労働者」の人数を足したものです。

法定雇用率 = 各種障害者の常用労働者数・失業者数 ÷ 常用労働者数・失業者数

2021年3月から法定雇用率は2.3%に引き上げ

2021年3月に障害者の法定雇用率が引き上げられます。法律を遵守するためにも、企業は法定雇用率に即して障害者を雇用することが重要です。下表は、2021年3月に法定雇用率がどのように改正されるのかをまとめたものです。

区分 現在 2021年3月以降
民間企業 2.2 2.3
国・地方公共団体等 2.5 2.6
都道府県等の教育委員会 2.4 2.5

(引用:厚生労働省「法定雇用率引き上げ周知リーフレット」

従業員43.5人以上45.5人未満の事業主の方は要注意

今回の改正にあたって、障害者雇用の対象となる企業の条件が「従業員45.5人以上」から「従業員43.5人以上」となります。対象となる事業主には以下の義務があります。

・毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告しなければなりません。
・障害者の雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」を選任するよう努めなければなりません。

障害者の法定雇用率を達成しなければどうなる?

障害者の法定雇用率の低い事業主には、公共職業安定所長から翌年1月を始期とする2年間の雇用計画作成命令が発令されされ、その後は計画の実施状況が確認されます。実施状況が悪い場合、最終的には企業名が公表されます。

民間企業の障害者雇用の推移

障害者雇用がどれほど社会に定着しているのか、内閣府が公表している障害者白書によると、民間企業の障害者雇用数は、過去5年間で下記の表のとおり推移しています。障害者の雇用率は、過去5年間で10万人以上も増加していることが分かります。さらに、16年連続で過去最高数を記録している状況です。障害者雇用促進法の浸透や法定雇用率の段階的な引き上げなどにより、障害者雇用が着実に進んでいると言えるでしょう。2021年3月に障害者雇用率が引き上げられることで、今後ますます障害者の雇用が進むことが予想できます。

年度 H26 H27 H28 H29 H30
障害者雇用数 45.3万人 47.4万人 49.6万人 53.5万人 56.1万人

(引用:厚生労働省「障害者雇用状況の集計結果」

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